以下のとおり勉強会を開催いたしました。
日時:平成29年3月18日(日) 13:30~15:00
会場:障害年金ヘルプデスク本部(広島市)
ケース①大腸がん不支給に対する不服申し立て
ケース②胸椎黄色靭帯骨化症及び膀胱直腸障害の再請求
今回取り上げたケースに共通するのは「汲んで欲しい事情を明確にすること」です。
ケース①は、障害認定日請求を本請求とし予備的に事後重症を行い、事後重症請求のみ認定されたものです。認定日請求は3級不該当とされ、審査請求を行ったものです。結果、審査請求において、障害認定日時点における労働能力喪失状況を提出済み書類により丹念に主張し容認されました。患者さんにとって汲み取られるべき「労務不能の事情」が何であるか、この論点を明確にしたことによるものと考えられます。
ケース②は、障害が複数の部位に存在する患者さんが自力請求し否認された件につき、再請求する際に会員社会保険労務士が関与したものです。自力請求の状況を確認したところ、本来、診断書を二点提出すべきところ一点しか提出されていませんでした。患者さんの全身を総合的に捉えると労働に制限が加えられる状況にあるか、この点を証明するため、診断書二点を医師に依頼したこと及び、それぞれの部位がどのような後遺症を残しているのかを詳細に申し立てることで、認定を受けることが出来たものです。
当NPO法人会員の資質向上・技術付与を目的として、定例で勉強会を開催しています。またこの勉強会は、一般の方向けにも公開しております。
会員社会保険労務士によるケーススタディ式の勉強会に参加希望の方は、事前にメール又はお電話にてご予約ください。
【次回開催予定】
〇日時:平成29年5月20日(土) 13:30~14:30
〇会場:広島市中区八丁堀3-1幟会館2F 当会総合管理事務所にて
〇テーマ:不服申し立て関与事例(予定)
〇講師:調整中
〇参加費:資料代としてお一人500円(賛助会員の方は無料)
傍聴ご希望の方は、先着5名様までお受けできます。
以下のとおり勉強会を開催いたしました。
日時:平成28年11月20日(日) 13:30~15:00
会場:障害年金ヘルプデスク本部(広島市)
テーマ:「社会的治癒」による障害年金請求上の初診日の考え方
今回取り上げたケースの特徴は次のとおりです。
・転院の都度、診断名が変更していた
・一番初めにかかった医療機関には、受診した記録が残っていなかった
・治療を一旦終了すると告げられ、受診そのものが途絶えた期間が数年あった
・受診を再開した時に「再発」と告げられた
▼社会保険制度特有の傷病経過の捉え方に、「社会的治癒」というものがあります。社会的治癒とは、治療を受けておらず、予防的意味合いでの受診はありこそすれ、その間、他の社会保険被保険者と同様の仕事をこなし日常生活にも支障がなかった状態を、病気が収束しているものとして扱う法理です。どのくらいの期間受診が途絶えていたら、という基準めいたものはありません。手続上はあくまでも個別判断されます。もともとの受診開始時期と再発診断時期とを比較して、加入する年金制度が異なること、保険料納付要件の状態、最低保証されている病態であるかなどを考慮した上で、請求者自らが主張しなければこの法理の当てはめはありません。再発前後で医学的に結びつきのあることが大前提ですが、受診が途絶えた期間中、他の方と同様に社会保険料を負担していたこと等を考慮したものです。請求する人にとって、より有利な制度の選択肢があるのではないか、という幅を拡げるために用いられる考え方です。
【重要なお知らせ】
今後の勉強会は隔月開催とし、事例を2件以上共有するスタイルに変更します。参加を希望される医療ソーシャルワーカー様、を初めとした患者さんを援助される皆様は、サイト上でご案内する開催日程を参考にお申込みください。
以下のとおり勉強会を開催いたしました。
日時:平成28年9月18日(日) 13:30~15:00
会場:障害年金ヘルプデスク本部(広島市)
テーマ:「事後重症請求により受給権確定後」の障害認定日請求
この事例での患者さんは、
・自力で事後重症請求を済まされ、2級認定を受けた。
・知人に障害年金の件を話す機会があり、その時初めて「障害認定日請求」のことを認識した。
このような経過をたどり、会員社会保険労務士に「今からでも認定日請求ができるのか?」と相談されました。
▼自力請求される場合、請求する制度により年金事務所か市区町村役場、又は共済組合に最初の相談をされます。そして相談先の説明と案内に従って書類を整えることになります。相談機関の窓口で認定日請求の説明を受けていないことは考えにくいです。おそらく患者さんご自身が認定日請求できることを正しく認識できず、手続を踏んだものと会員社会保険労務士は捉えました。
▼結果的には障害認定日請求が認定され、遡って受給権を得ることが出来ました。社会位保険労務士が手続きに関与し行政との間に入ったことで、患者さんにとって最も適正な状態で受給権が得られたものです。